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現代食の問題点

◆◆◆   現代人は「栄養失調」   ◆◆◆

『栄養失調』と聞けば、ほとんどの方は飢餓を連想するはず。飢餓とは無縁、むしろ肥満大国とも思われる現代日本人、しかし、この肥満は栄養失調によりもたらされているとも言われています。つまり、カロリーとなる3大栄養素は満ち足りているが、それを代謝するために必要な副栄養素が足りないために代謝しきれなかったカロリーが蓄積し肥満となってしまうというものです。

生物には身体を動かすための「エネルギー代謝」と、体の細胞を新しく作り変えるための「新陳代謝」があります。エネルギー代謝とは、カロリーの糖質と、それに見合った量の副栄養素(ビタミン)により化学反応を起こし、ATPというエネルギーの基をつくり、身体を動かしていくことをいいます。

「新陳代謝」とは、カロリーのタンパク質と副栄養素のビタミン、ミネラルの反応により古い細胞を捨て新しい細胞を作る働きを言います。このように、エネルギー代謝や新陳代謝を行うためには、カロリーに見合った量のビタミンやミネラルが必ず必要なのです。しかし、現代食はカロリー摂取量に見合った量の副栄養素が摂れていないのが現状です。

この現代食のアンバランスにより、代謝しきれず余ったカロリーを排泄できれば肥満は発生しないのですが、私たち人類は、余ったカロリーを飢餓に順応するために脂肪として蓄えるという代謝システムを備えているのです。

このように現代の日本人は、カロリーは十分に摂れていても副栄養素の摂取量がカロリーに見合った量を摂れていないために肥満におちいっている可能性が高いのです。肥満は脂肪細胞からさまざまなホルモンを分泌して、糖尿病、高血圧、脳梗塞、心筋梗塞などの生活習慣病の原因となります。また、副栄養素が足りないと精神面にも影響し心身のストレスにも耐えられなくなります。


◆◆◆
   和食は究極のバランス食   ◆◆◆

今日の日本ではあらゆる国の料理を食べることができます。しかし、和食という脂肪の含有量の少ない多様な副食と、米という炭水化物を中心とした主食文化をはぐくんできた日本人にとっては、決して良くなったとは言いがたいものがあります。なぜなら、和食を食べ続けてきた私たちの体は、和食だからこそ効率よく代謝できるような代謝システムを先祖から受け継いでいるからです。

日本人は、数千年にもわたり穀物と糖類から炭水化物と植物性タンパク質を摂り、魚介類からは動物性タンパク質とEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)などのオメガ3系と呼ばれる脂質を、そしてさまざまな野菜や果物およびお茶からビタミンやミネラルを摂り、さらに微生物をうまく利用して味噌や醤油をはじめとする発酵食品を作り出してきました。

和食は栄養学的にみても究極のバランスを備えていて、世界でも有数の成熟した食文化といってよいでしょう。自然に恵まれた豊かな環境があった日本ならではの食文化といえます。

このように和食という食文化こそ、日本人が世界一の長寿国とされる最大の理由ともいえますが、戦後の欧米文化の流入とともに欧米食の一見豪華で華やかな料理に、日本人の食生活は一気に欧米化してしまったのです。しかし、欧米食に順応できない、日本人に特有の遺伝性や代謝システムが生活習慣病という弊害を生みだしているのです。


◆◆◆
   人類に共通の代謝システム   ◆◆◆

1、血糖を下げるホルモンはインスリン一つしかない。
  飽食に準備できていない証

2、油状カロリーは主に脂肪として蓄える
  飢餓に対応できるように準備しています。

3、炭水化物の代謝酵素であるアミラーゼを2ヶ所の消化器官(唾液と膵液として)から分泌する。
  それだけ炭水化物の摂取を体が要求している証です。行動の全てをコントロールする脳が、炭水化物の最終代謝産物であるブドウ糖しかエネルギー源として使えないことにも関与していると考えられる。

4、歯の黄金バランス(切歯8本、犬歯4本、臼歯20本)
  切歯は野菜をはじめとする植物性食品を、犬歯は肉をはじめとする動物性食品を、臼歯は穀物や豆腐などの粒状の食品を食べる歯です。このバランスで食事を摂取することが大切といわれています。

5、農耕および牧畜のオートメーション化による大量生産に伴う飽食化と、第1次から第3次産業への移行に伴う生活活動強化の低下。
  労働の質の変化によるカロリーの要求量の変化と、精神的ストレスの増加に伴うビタミンなどの拭く栄養素の要求度の増加。


◆◆◆
   日本人特有の代謝システムと遺伝性の特徴   ◆◆◆

1、腸が長い。
  日本人の腸が欧米人に比べてはるかに長いのは、消化しにくい穀物からしっかりと栄養素を吸収するのに適しているからです。

2、乳頭を分解する酵素の活性が低い
  牛乳を飲むと腸がゴロゴロする乳頭不耐症の人は日本人に多い。

3、インスリンをゆっくりと分泌する
  消化しにくい穀物を中心とした炭水化物を多めに取ることを宿命とせざるを得ない

4、「倹約遺伝子」を日本人の4割近くの人が持っている。
  日本人は遺伝的に太りやすく、やせにくい体質の人が多い。

5、農業を捨てた農耕民族のカロリー消費量の低下。
  筋肉労働から頭脳労働への移行により、運動量の減少。


◆◆  遺伝子や代謝システムに負担をかけない食の摂り方  ◆◆

@1日3食のうち2食以上を和食にし、残りの1色は中華か洋食でも良い。
Aご飯は、1日2合を目標にする。
B副食(おかず)は海の幸、山の幸、陸の幸を毎食摂る。
Cご飯、みそ汁、大豆、魚介類、野菜の5品目は毎食食べても良い。
D水分補給と間食のルールを守る。
E調味料は和風をベースとし使いすぎに注意する。
F乳製品と牛乳(成人は1日200t、多くても400ccまで)の摂りすぎに注意。


◆◆◆
   ご飯は、究極のダイエット食品   ◆◆◆

@脂肪が極めて少なくカロリーが低い
 ご飯は100g中脂肪を0.5gしか含んでいないし、カロリーも低い

A粒食なのでそしゃくが必要なため、満腹中枢を刺激しやすい。
 よく噛むことで唾液の分泌が促進され、でんぷんが分解されて速やかに吸収され、すぐに血糖に反映されて満腹中枢を刺激するのが早い。

Bインスリンの分泌刺激性が低く太りにくい
 インスリンは血糖を下げるだけでなく、脂肪細胞に脂肪の取り込みを促進する働きを持っています。ですから、ご飯のようにインスリンの分泌の少ない食品は太りにくく、逆にインスリン分泌量の多いパンやうどんなどの麺類は太りやすい食品といえます。

C難消化性でんぷん質(アミロース)を多く含むので、太りにくい。
 ご飯の中にでんぷんは76%含まれており、アミロースとアミロペクチンの2種類に大別される。アミロースが20%弱のものが日本人の口には最適と言われていますが、このアミロースこそ、難消化性でんぷんの正体であり、食物繊維のような働きをしてくれるのである。

D食物繊維+難消化性でんぷん質で便秘を解消
 日本人は欧米人に比べて腸が長い傾向にあります。最近、慢性便秘の方が増加している背景には食物繊維の摂取量が激減していることが考えられます。
 
Eご飯をしっかり食べていた時代に、肥満の人はいなかった。

 当時とは運動量や環境の違いも大きいですが、ご飯をふやし、メインディッシュを減らすほうがダイエットには効果的なのです。

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